KOTOBASM

思考しえぬことを我々は思考することはできない。それゆえ、思考しえぬことを我々は語ることもできない。

大槻教授はフヌケになってしまったのか

 毎年年末になると放送される「ビートたけしの超常現象Xファイル」。今年は12月27日に放送された。僕も毎回観てはいるのだが、だんだん無難な方向に向かっているなと感じる。今となっては大槻教授と、たま出版の韮澤社長の安否確認のために観ているようなものだ。

 

 いつの間にかこの二人のバトルもやらなくなってしまった。韮澤社長のインチキめいた話に大槻教授が鋭くツッコむアレである。金星人の住民票あれは傑作であった。韮澤社長は決して人を騙そうとしているのではない。ただ純粋で夢見がちの少年のような心を持っている人なだけである。

 

 しかし今年も韮澤社長は無難なことしか言わなくなった。これでは大槻教授もツッコめない。というかその大槻教授がお歳を召したせいか、トゲがなくなってしまったようなのだ。超常現象肯定派に強く言われると簡単に引き下がるようになってしまった。

 

 大槻教授も84歳だものなあ。寂しいけれども。そもそも大槻教授をカバーできる否定派の論客が少ないというのもある。またやっきになって否定できるテーマが無くなってしまったというのもあるだろう。このまま超常現象を扱う番組は衰退していくのだろうか。

 

 かくいう僕は、超常現象は肯定派であると言っていいだろう。ただ肯定派も否定派も人間の想像力の範疇を抜け出せていないとも思われる。大槻教授が昔よく言っていた、超常現象はすべて科学で証明できるというセリフ。これは無理がある。

 

 宇宙や自然界の現象を、人間の叡智がどれだけ集まったとしても、それを解明できるわけがないのだ。またUFOという人間が作った定義を超えた、つまりUFOに見えてしまう自然現象があるはずなのだ。そういう意味で肯定派も否定派も同じ穴の狢なのである。

 

それでは皆様よいお年を。

 

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君のそばにいる。